成年後見基礎研修04

任意後見に関していろいろと教えてもらいました。まずは制度の説明を。

 

後見制度のイメージ

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後見人の大まかな役割や、未成年後見と成年後見の関係については、以前の記事で説明したとおりです。

 

「法定後見」の場合は、本人の判断能力が衰えたときに、家族などの申立によって家庭裁判所が後見人等を専任します。そして、判断能力に応じて、本人が契約を結ぶ能力などに制限がかかります。制限の程度によっては、本人が不当に高額な商品を買わされたときなどに、後見人等によって取り消すことができるようになります。

 

それに対し「任意後見」は、本人の判断能力が十分なときから手続きが始まります。本人が選んだ人を相手に「いざとなったら後見人になってね」という契約を結び、その相手は「任意後見受任者」となります。

 

そして、そのとき(本人の判断能力が衰えたとき)が来たら、任意後見受任者などが家庭裁判所に申し立て、「任意後見監督人」を選任してもらいます。この任意後見監督人が選任されると、受任者は「任意後見人」となります。ですから、任意後見人には任意後見監督人が必ずついています。

 

法定後見人も任意後見人も、「本人の財産を管理し、身の回りの世話をする人を手配する」という役割は同じです。そして、本人にとっての「最善の利益」を考えながら責任を持って職務を遂行していく点にも差はありません。ただし、任意後見人は、法定後見人とは異なり、本人がした契約を取り消すことができません。

 

任意後見は本人が望む相手と契約できますので、もっと活用されてもよい制度なのではないかと感じました。取消権がないことについては、次の記事で考えをまとめてみる予定です。

 

後見制度

ブログから本が生まれました!


「相続を気軽に学べる解説書を」ということで、八王子の行政書士・社労士の井出さん(至誠法務労務サポート代表)と一緒にコツコツと書き溜めたブログが、1冊の本になりました。
 100の題材を「相続」「遺言」「成年後見」「終活」の4章に分け、各タイトルは五七五の川柳形式にしてあります。口語調の解説文が「わかりやすい!」と評判です。

4 件のコメント

  • 任意後見を必要とする年代を仮に70代以上。それを受任する年代は・・20代?30代?・・と考えると40代以上ではないでしょうか?
    また、70代以上(高度成長経済を謳歌した世代)で任意後見を十分に理解し、誰に委任するか決める事が出来るかと言えば、一抹の不安を感じます。

    つまり、子供や親戚が「任意後見」を必要と感じて、依頼するケースがほとんど・・と、勝手に推定すると、委任される適任者は、「必要と感じたその人」となります。

    結果的に第三者が委任される事で、ビジネスとして成立するか(件数として公正証書遺言を作成するレベルになるか)、二抹の不安を感じます。

    つまり、求められる市場からの発想ではなく、与える側の発想で、制度を構築している事に、三抹の不安を覚え、介入へは慎重な姿勢で臨んでおります。

    • 貴重なご意見ありがとうございます。

      私も、実際に我々が後見人となるのは、商売として難しいと考えています。そして、法定後見人選任申立書や任意後見契約書の作成ならばなんとかなりそうな気もしているのですが、行政書士がそういった書類を作成することに関してあまり良く思っていない弁護士さんもいるそうで……。

      先月の講義をしてくださったトーダイの先生は「まったく問題ない」とおっしゃっていましたが、やはり積極的には手を出さないほうがよい分野なのではないかと感じています。

      • 申立書や任意後見契約書は実務で普通に作成してますので問題ありません。
        ただ、契約書作成という大きな枠組の中の一つです。
        お客様の依頼で弁護士の任意後見の手配も行っています。

        実は、後見制度は当初、裁判の輪番と同様に、弁護士の仕事確保と言われています。実際、仕事が(比較的少ない)弁護士の方が扱う事が多いようですが、それでも弁護士の他の業務と比較すれば効率が悪いようです。

        ビジネスと割り切らず社会貢献と考える場合、多いにやるべし!であり、公務員からは「まったく問題無い」から、積極的にやってね・・・となります。
        ただ、過去10年程度の流れは明らかに、弁護士→司法書士→行政書士と川下へながれている印象があります。

        もう一点追加すると、こういった任意後見を第三者へ依頼する場合、相続でトラブルが発生する可能性が極めて高く、相続が発生すると揉める事となり、裁判所へ参考人出頭・・も経験あります(裁判は4年ほどかかりました)。※ 陰の依頼主はご本人の相続人ですからね・・

        そのため、文頭にあるように、弁護士の営業マンに堕するのです。手配までは書類作成費用として頂戴できますから・・

        • やはり書類の作成自体は問題ないのですね。先日の講師が、「業務として扱うとなると……」とおっしゃっていたので心配だったのですが。ただ、その方は、「任意後見はもっと普及するべきなので、行政書士も扱えたほうが」という意見でもあったようです。

          そして、あまり考えておりませんでしたが、相続のトラブルはたしかに発生しそうですね。また一つ勉強になりました。ありがとうございます。

  • ABOUTこの記事をかいた人

    はちおうじ総務相談所の長岡です。

    GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
    中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……