原発賠償について28

第4回請求からの変更点について、今回は法人・個人事業主(法人等)に関するものをまとめます。(個人向けの変更点はこちらの記事から)
 
0.基本的な考え方
 
法人等の逸失利益は、前年の売上高を基準に計算します。営業していなければ仕入なども発生しないので、その分(売上原価)は差し引かれます。また、販売手数料や運賃なども発生しませんから、それ(変動費)も引かれます。しかし、機器のリース料や減価償却費など、営業していなくても発生する費用(固定費)は追加されます。
 

 売上高  売上原価 変動費  固定費   賠償額 
基準 かからない かからない かかる 計算結果
1000 -500 -100 +200 =600


実際はもう少し複雑なのですが、おおよそこのような感じです。
 
 
1.逸失利益の損害賠償額から、営業再開による利益を差し引かなくなった
 
考え方としては、個人の場合とおおむね同様です。対象となるのは、避難対象区域で事業を営んでいた、資本金または出資金が1億円以下の法人等(例外あり)です。
 
 
2.減価償却費の取扱いが変わる(6月から)
 
これまでは、減価償却費は上にある表の「固定費」に含まれていました。
(減価償却の仕組みがわからない方は昨日の記事を参考にしてください)
 
たとえば、2,400万円の建物を定額20年で減価償却すると仮定します。
 
減価償却のイメージ

この場合、1年当たり120万円の計算になりますから、請求期間が3か月ならば30万円が固定費として上乗せされます。
 
これが6月からは、「財物価値の減少」として賠償されることになりました。ですから、図の「10年」の場合、帰還困難区域で全損扱いになれば、1,200万円が一度に賠償されるはずです。
 
ただし、財物に関する賠償はまだ始まらないため、現時点では賠償を受けることができません。
 
【参考】
本賠償における法人さまおよび個人事業主さまに対するご請求書類の発送について(東京電力HP)

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はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……