原発賠償について29

財物に係る賠償について、ようやく東電から発表がありました。今回は個人向けの情報(避難指示区域内)をまとめてみます。
 
1.宅地・建物(外構を含む)に係る賠償
 
宅地については、平成22年度の固定資産税評価額(税評価額)に1.43を乗じた額が賠償されます。税評価額は公示価格の7割ですから、その調整がされているようです。(10÷7≒1.4286)
 
建物については、税評価額に東電が設定した「建物係数」を乗じます。古い建物であっても、現在の物価で新築したと仮定してから減価償却するため、ある程度の値がつくようになっているのではないでしょうか。納得できない場合は、国交省が公表する平均新築単価に床面積をかけた額を請求することもできるようです。
 
上記の計算によって算出された額に対して、「帰還困難区域」では全額が賠償されます。そして、「居住制限区域」では2分の1が、「避難指示解除準備区域」では3分の1が賠償されます。この割合は、(予想される)避難指示期間の長さに応じて決めたそうです。
 
ちなみに、不動産の登記情報や税評価額については東電が把握しているようで、請求者が証明書を取得する必要はありません。
 
2.家財に係る賠償
 
家具や家電について、実際に持っていたかどうかに関わらず家族構成に応じて賠償されます。単身世帯の場合は一律で325万円です。それ以外の場合は、「世帯基礎額」の475万円に、大人一人につき60万円と子供(事故当時18歳以下)一人につき40万円が加えられます。なお、帰還困難区域の賠償額を100%とすると、残り2区域については約75%が支払われるようです。
 
3.建物修復費用等の先行払い
 
床面積(㎡)に14,000円を乗じた金額が、家に戻る前の修復費用として先払いされます。上限は1,000万円ということで、200坪と少しまでは大丈夫そうです。あくまでも賠償金の先行払いですので、ここで支払われた額は「1」の建物に関する賠償金から差し引かれます。また、除染費用は「修復費用等」に含まれていません。
 
4.精神的損害等のまとめ払い
 
帰還困難区域は600万円(5年分)、居住制限区域は240万円(2年分)で、こちらは3月に出た中間指針二次追補のとおりです。今回の発表では、避難指示解除準備区域についても、120万円(1年分)の請求が可能とされています。
 
また、就労不能損害については平成26年2月末までをまとめて請求できるそうです。さらに、一時立入の費用等もまとめ払いの対象となっているようですが、こちらについては、詳細は後日ということです。
 
今回の賠償が、避難している方々の生活再建につながるとよいのですが……。
 
【参考】
避難指示区域の見直しに伴う賠償の実施について(避難指示区域内)(東京電力HP)

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はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
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