原発賠償について30

昨日の続きです。今回は個人事業主と法人向けの情報をまとめます。
 
1.個人事業主について
 
宅地と建物に関する賠償については、個人の場合と同じように、固定資産税評価額に「宅地係数」や「建物係数」をかけて計算します。帰還困難区域を基準として、居住制限区域では2分の1の額が、避難指示解除準備区域では3分の1の額が支払われます。
 
償却資産に関しては、帳簿価額に「償却資産係数」をかけて賠償額を算出します。償却資産は、耐用年数が経過して減価償却が終わると、帳簿上の価値はほとんどなくなってしまいます。しかし、実際にはその後も使い続けることがありますから、その点を踏まえ、償却資産係数によって最低でも2割は資産価値が残るように調整しているようです。
 
帰還困難区域では全額が賠償されますが、ほかの2区域では、避難指示の解除見込み時期に応じて、勘定科目ごとに定められた「減少率」を乗じた額となります。
 
棚卸資産については、事故の影響によって資産の価値が帳簿価額を下回ったことによる損失と、販売や使用ができなくなって資産を廃棄したことによる損失が賠償されます。
 
2.資本金または出資金が1億円以下の中小法人(例外あり)について
 
宅地に関しては、個人の場合と同じ方法で計算します。しかし、建物に関しては、個人事業主の償却資産と同様の考え方になります。償却資産と棚卸資産についても、個人事業主と同様です。
 
3.いわゆる大企業について
 
こちらについては、今回も対象となっていないようです。
 
イメージとしては、このような感じでしょうか。

資産 個人 個人事業主 中小法人  大企業 
宅地 宅地係数 今回は
対象外
建物  建物係数  償却資産係数
償却資産 なし
(家財の賠償)
償却資産係数
棚卸資産 発生した損失を賠償

 
4.営業損害のまとめ払い
 
農林業者については平成28年12月31日まで、それ以外の業者については平成27年2月28日までの包括請求が可能です。早いほうでも事故から約4年ですから、ここを賠償終期と考えているのかもしれません。ちなみに、どちらも開始時期は今年の7月1日です。そして、営業再開による利益は賠償金から控除されないようです。
 
今回の手続きにより、個人事業主と中小法人にはかなりの賠償金が支払われることになるでしょう。この支払いが事業の再開につながることを期待しています。
 
【参考】
原発賠償について29(個人に関する情報)
避難指示区域の見直しに伴う賠償の実施について(避難指示区域内)(東京電力HP)

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はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……