タッチの差

原発賠償において、帰還困難区域(5年以上帰れなそうな区域)に住んでいた人たちは、精神的損害にかかる賠償を5年分まとめて請求できるようになります。ですから、4人家族にはそれだけで2,400万円が支払われるわけです。
 
同じように住み慣れた土地から避難した人であっても、「避難区域等」の圏外に住んでいた人は8万円の賠償で終わっている可能性もあります。妊婦や子供がいた家庭であっても、せいぜい数百万円というところです。住んでいた場所が10kmくらい違うだけでそれだけの差がつくとなると、もらえなかった人には納得いかないものがあるでしょう。
 
ただ、どこかで線引きしなければ際限がなくなってしまいます。また、小さな違いが大きな差を生むというのも、よくある話ではあります。
 
開高健さんの『流亡記』の中に、始皇帝の部下が街に突然やって来て綱を張り、右側にいた人間だけを長城建設の苦役として容赦なく連れ去る場面があります。このとき、たまたま左側に立っていた人間には、まったく手が出されることなく一切が過ぎていきます。
 
また、5億円の宝くじを当てた人もいれば、その前後に並んでいた人もいます。前後の人たちがその事実を知ったら、身もだえしてしまうのではないでしょうか。
 
このように、世の中にはわずかな差によって幸不幸が分かれてしまうようなことがよくあるようです。ウルフ金串のステップインがあと1センチ深ければ、矢吹丈のトリプルクロスは決まらなかったという説もありますし。
 
そんなわけで、他人をうらやむことなく、自分の置かれた環境で精一杯やっていくのが一番なのだと、あらためて思いました。

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ブログから本が生まれました!


「相続を気軽に学べる解説書を」ということで、八王子の行政書士・社労士の井出さん(至誠法務労務サポート代表)と一緒にコツコツと書き溜めたブログが、1冊の本になりました。
 100の題材を「相続」「遺言」「成年後見」「終活」の4章に分け、各タイトルは五七五の川柳形式にしてあります。口語調の解説文が「わかりやすい!」と評判です。

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はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……