契約の基礎06

05 債務不履行の種類
 
06 危険負担
 
債務不履行には、「正当な理由がないのに」という前提があります。ですから、履行できないことに正当な理由がある場合は、債務不履行ではなく「危険負担」の問題になります。つまり、損害賠償の責任を負う人間がいない場合は、「どちらが損害を負担するか」という問題になるわけです。
 
たとえば、前述した「飛行機の欠航でコンサートに間に合わなかった」例の場合は、「演奏する」という債務を履行できなかったことについて、演奏者に非はありません。ですから、損害賠償の請求をされても断ることができます。ただし、演奏していないのですから、出演料をもらうこともできません。お互い「涙をのむ」というわけです。
 
しかし、「サイン入りギターの売買契約を結んだが、発送中に雷が落ちてきてギターが燃えてしまった」という例になると、その後の展開が異なってきます。「ギターを引き渡す」という債務を履行できないことについては、やはり売主に非はありません。ですから、損害の賠償は免れます。にもかかわらず、ギターの代金を請求することができるのです。
 
これが「サイン入りではない量産型のギター」だったら、原則的に売主は新しいものを用意しなければなりません。「引き渡しを免れつつ代金がもらえる」というケースに該当するのは、代わりのものを用意できない場合に限られます。
 
同じ理屈で、「家の売買契約を結んだが、引き渡しの前に地震で建物が倒壊してしまった」という場合は、やはり売主が引き渡しを免れつつ代金をもらうことができます。しかし、それでは買主にとってあまりにも酷ですから、現実ではほとんどの取引において、買主が支払いを免れる特約を結んでいるようです。
 
07 法定解除

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はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……