今度こそ事務所の報酬額に関する考え方を整理する

 前回は、行政書士報酬の価格差と、いくつかある価格帯の中で自分がどのあたりの位置を狙っているのかを説明してみました。ただ、建設業許可の新規申請に限定されてしまったので、今度こそ事務所報酬全体に関する考え方をまとめてみます。三度目の正直です。
 
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建設業許可申請の行政書士報酬を比較して考えたこと

2016.06.08

報酬の説明からハンバーガーの価格比較に脱線する

2016.06.02

緻密な計算に基づく報酬額なのか?

 建設業許可新規については、「社労士顧問とセットなら標準的な金額だが単発だと高め」という設定でした。では、他の業務はどうかというと、同じように社労士セットを標準的な報酬額としているものもあれば、単発が標準的でセットは比較的お得な価格にしているものもあります。そして、その設定には、そこまで明確な根拠があるわけでもありません。
 本来であれば受注の見込み数や利益率なども含めて提供するサービスの組み合わせ(商品構成)と価格を設定するべきなのでしょうが、実際には、そこまでの計算はしていません。それほど受注量があるわけでもないですし。
 

「低価格=顧客志向」なのか?

 実のところ、行政書士の報酬設定については、同業者に合わせて無理をするのではなく、提供するサービスに対して自分が納得できる値段をつける面があってもよいのではないかと感じています。
 いわゆる「顧客志向」に反していると非難されそうですが、かならずしもそうとはいえないのではないでしょうか。
 周りに合わせて報酬が低めに設定されてしまうと、提供するサービスもそれなりになってくる可能性があります。「この予算でやるなら、この部分は省略だな」という具合に。
 そうであるならば、十分なサービスを提供できるように予算取りをしておいて、それに見合う仕事をしていくのも一つの考え方ではないかと思われます。もちろん、顧客が求めてもいない余計なサービスを盛り込んでも仕方ないのですが。
 

数万円の差は大きいのか?

 また、正直に申しまして、許認可申請を依頼したときに発生する数万円の差がそこまで決定的なものなのか、という疑問もあります。
 例えば、建設業許可の新規申請を依頼された場合、それはあくまでも入口であって、毎年の決算報告をはじめとして、その後も行政書士がお手伝いする手続きはいろいろとあるわけです。
 「更新までの5年間にどんな付き合いをしていくのか」と考えたら、申請の報酬だけ見て1円でも安い行政書士を探すというのは、あまり筋の良い話とは思えません。もっとも、「黙って申請書だけ作ればいいんだよ」ということであれば別ですが。
 

何を基準に選べばよいのか?

 ようするに、一口に「建設業許可申請」といっても、長い目で見るとサービスにはけっこうな差が出てくるものなんですね。そう考えると、単発の業務だけで報酬額を比較するのは、あまり意味のないことなのかもしれません(前回の投稿で詳しく比べてみたわけですが……)。
 そして、「長い目で見てお得な専門家」をインターネットで探すのは、かなり大変な作業だと思われます。みなさん、ホームページにいろいろ書いてありますからね。
 だからこそ、「誰がいいのかよくわからないので、とくにかく安いところにしよう」ということになるのかもしれません。まあ、それはそれで一つのご判断でしょう。でも、それほど安くない私としては、こうやって必死に言い訳をしている次第であります。
 

まとめ

 個人的には、「お客さんと行政書士との相性」というのも、けっこう重要なポイントのような気がします。なんとなく気に食わない人に、決算書類とか見られたくないですよね?
 そんなわけで、ちょっと投げやりな結論になってしまいますが、「金額的にお得かどうかはわからないけど、まあ、こいつなら任せていいだろう」と割り切ってご依頼くださる方と仕事ができたらと思っております。
 

ブログから本が生まれました!


「相続を気軽に学べる解説書を」ということで、八王子の行政書士・社労士の井出さん(至誠法務労務サポート代表)と一緒にコツコツと書き溜めたブログが、1冊の本になりました。
 100の題材を「相続」「遺言」「成年後見」「終活」の4章に分け、各タイトルは五七五の川柳形式にしてあります。口語調の解説文が「わかりやすい!」と評判です。

ABOUTこの記事をかいた人

はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……