とび・土工工事業の許可業者が解体工事を続けるには

 法改正からは少し遅れましたが、今回のテーマは「解体工事業の許可と、とび・土工許可業者に対する経過措置」についてです。

 許可に関する話をする前に、解体には「解体工事業者登録」というものがありまして、500万円未満の工事であっても、解体工事をするためには都道府県知事の登録を受けなければなりません。産廃収集運搬業の許可と同じようなイメージで、登録を受けた都道府県でないと工事ができないんですね。
 ちなみに、この「登録」に関しては、今回は大きな変更がありませんでした。

解体工事業許可の新設

 「建設リサイクル法が」とか「建設業法が」とかいった説明は、ここでは省略いたします。とにかく、平成28年6月1日から建設業の許可に「解体工事業」が新設されて、一式工事と合わせて「29業種」になったわけです。
 これまで「とび・土工」の業者さんが施工していた解体工事の一部を、独立させたような感じでしょうか。ただし、「信号機の解体は電気工事業」というように、専門工事で作ったものに関しては、その専門工事の業者が解体することになっているようです。
 
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とび・土工工事業の許可業者への経過措置

 解体工事業の許可が新設されたことによって、とび・土工の許可では解体工事を施工できなくなります。ただし、いきなり仕事ができなくなったら困る人が多いでしょうから、「法律上の経過措置」によって、とび・土工許可のままで解体工事を請け負える期間が設けられました。期限は平成31年5月末まで、つまり解体工事業が新設されてから3年間です。ですから、それ以降も(500万円以上の)解体工事を請け負いたいのであれば、それまでに解体工事業の許可を追加しなければならないわけです。

経営業務の管理責任者(経管)について

 今回の改正が施行される前、つまり平成28年6月1日(施行日)より前にとび・土工の経管をしていた人は、その期間が解体工事業の経管をしていた期間とみなされます。ですから、こちらが問題になるケースは少ないのではないかと考えられます。

技術者(専任・主任技術者)について

 大変なのはこちらでしょうか。ただし、施行日の時点で、すでにとび・土工の技術者だった人は、平成33年3月31日までは、解体工事業の技術者とみなされます。ですから、それまでに何らかの手を打てばよいわけです。もっとも、平成31年6月以降は、とび・土工の許可では解体工事業を請け負えなくなりますので、専任技術者の場合は平成31年5月末を期限と考えるべきでしょう。
 この問題を解決する方法は、現在の技術者が持っている資格等によって、いくつかのパターンに分かれます(監理技術者は除く)。
 
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A.資格があれば技術者になれる

 解体工事施工技士が該当します。これまでは技術者の資格に入っていませんでしたが、今後は解体工事業の技術者となれる資格として取り扱われます。民間資格ではありますが、解体工事業者登録の際に必要となる、技術管理者の要件にも含まれているものです。
 また、1級のとび技能士も主任技術者(一般建設業の専任技術者)として認められています。

B.実務経験または講習受講が必要

 2級土木施工管理技士(土木)等でとび・土工の技術者になっている人は、平成33年3月末までに解体工事の実務経験を1年積むか、登録解体工事講習の受講が必要になります。

C.3年の実務経験が必要

 2級のとび技能士が技術者になっている場合、解体工事の実務経験が3年なければなりません。これまで、基礎工事等で3年(または1年)の実務経験を証明していた人については、解体工事の実績も必要になります。

D.平成33年4月以降は技術者になれない

20161006yaku 同じ2級土木施工管理技士でも、「土木」と異なり「薬液注入」の場合は、平成33年3月までしか技術者として認められません。型枠施工技能士などもそうなのですが、解体工事業者登録における技術管理者の要件として認められていないものについては、このパターンになることが多いようです。

E.資格でなく実務経験で勝負

 もちろん、実務経験10年などでも技術者にはなれます。実務経験については、同一期間に複数の業種は認められないのが原則ですが、施行日より前に請け負ったとび・土工工事に限り、その中に解体工事の実績が含まれている場合は、その部分を解体工事の実務経験期間として計上することが可能です。
 また、施行日前から解体工事を請け負うことのできた、「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」に関して12年以上の実務経験があれば、解体工事については8年を超える実務経験で要件を満たすことができます。

登録か業種追加か

 先に述べたとおり、解体工事業者の登録をすれば500万円未満の解体工事を請け負うことが可能です。木造住宅の解体であれば、廃材の処理などを入れても、500万円以上になることはそうそうないのではないでしょうか。そう考えると、「解体もたまにするがメインは基礎工事」という業者さんなどについては、許可はとび・土工だけにしておき、解体は登録でも現状の体制を維持することはできそうです。
 ですが、解体工事業者の登録についても、技術者の要件はそれほど変わりません。また、登録を選択すると、新規の手数料45,000円に加えて、5年に1度の更新で26,000円がかかります。一方で、解体工事業の許可を追加した場合は、業種追加の手数料が50,000円かかりますが、とび・土工の許可と更新の時期を調整(一本化)してしまえば、更新するときに手数料が増加することはありません。
 
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 そのようなわけで、すでにとび・土工の許可を受けている業者さんが、あえて解体工事業者登録を選ぶケースは、少ないのではないかと考えております。

まとめ

 やはりポイントになるのは技術者でしょうか。八王子市周辺で解体工事業の業種追加をお考えの建設業者さんがいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください(たまには営業)。

参考文献

父親に「遺言書いて」と言えない方に……


『相続川柳』を読むとなぜ遺言を書いてみる気になるのか、解説動画をYouTubeに投稿してみました。

 

ABOUTこの記事をかいた人

はちおうじ総務相談所の長岡です。

GONZOを名乗りながらも、当たり障りのない記事を書いています。
中小企業の経営に役立つ情報を発信していきたいと思っているのですが……