子育て支援制度と自営業者の育児休業

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子育て支援制度と自営業者の育児休業

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2018/03/08 子育て支援制度と自営業者の育児休業

 たまには社労士らしい内容で。

 「産休・育休」という言葉自体は聞いたことがあっても、その違いまでわかっている人は、わりと少ないのではないでしょうか。今回は前半でそのへんの解説を大まかにしてみます(あくまでも伝えたいのは後半ですが)。
 

 産休育休に共通して言えるのは、給与を支払うかどうかは会社の判断になる点です。ただし、無給もしくは大幅に減額される場合には、公的な給付を受けられる期間があります。

前提:産休育休について

1.産休とは

 一般的には、「産前産後休業」の略でつかわれているようです。産前42日(双子以上の場合は98日)と産後56日が対象になっています。なんでこんなに半端な数字なのかというと、1週間単位(6週(14週)・8週)で考えているからです。
 ちなみに、産後の休業は(6週まで)必須ですが、産前は任意です。

 健康保険に入っている人がこの期間に休業すると、「出産手当金」として給料の3分の2*が支給されます。ただし、この期間は(事業主側も含めて)社会保険料が免除されるので、手取りにするといつもの8割くらいのイメージでしょうか。
* もう少し正確にいうと、「社会保険料の計算基礎となる標準報酬月額(12か月平均)を30日で割って3分の2をかけた金額」が1日の手当金となります。

 これに対して、国民健康保険には、この出産手当金はありません(「出産一時金」の42万円はもらえます)。あと、男性も出産できないので対象外です。

【参考】
出産で会社を休んだとき
(全国健康保険協会)
産前産後休業保険料免除制度
(日本年金機構)

2.育休とは

 雇用保険に関するものだけでなく、会社独自の制度などもけっこうあるため、こちらのほうが幅広い意味でつかわれているようです。

雇用保険の育休

 一般的には、雇用保険の「育児休業給付金」が支給される期間と考える場合が多いのではないでしょうか。こちらは、原則として子が1歳になるまで支給されるものです。また、保育園に入れない等の事情があれば、2歳になるまで延長できるようになりました(2017年9月までは1歳6か月まででした)。

 給付金の額は、子が6か月になるまでは(2018/03/09訂正 完全に間違えました)育休開始から6か月までは給料の67%*で、6か月経過後は50%です。この期間も社会保険料は免除されますので、手取りはもう少し多いイメージです。ただし、上限額があるので高給取りだった人は50%未満となることもあります。
* もう少し正確にいうと、育児休業開始前6か月の賃金を180で割って30日をかけた金額に、67%または50%をかけたものが1か月分の支給額となります(支給は2か月分をまとめて)。

 こちらは雇用保険に入っている人が対象です。そして、出産は関係ないので男性も対象となります。(「パパ・ママ育休プラス制度」の説明は割愛します)

会社独自の育休

 雇用保険から給付金が支給されるのは最長で2歳までですが、独自の制度で育児休業期間を延長している会社もあるようです。ただし、この期間についても、給料を支給するかどうかは、あくまでも会社の判断となります。
 ちなみに、会社が2歳以降も育児休業を認めている場合、3歳までは社会保険料の免除制度を利用することができます。
 

【参考】
育児休業給付とは・・・
(ハローワークインターネットサービス)
育児休業保険料免除制度
(日本年金機構)

3.その他の育児支援制度

育児時間

 1歳未満の子がいる女性が働いている場合、通常の休憩の他、1日2回、少なくとも30分ずつの休憩を取ることができます。こちらも男性は対象外です。授乳と関係しているのかもしれません(ほ乳瓶は……)。
 こちらももちろん、有給か無給かは会社判断です。生理休暇と似た考え方なのでしょうか。労基法の条文も並んでいますし。

育児短時間勤務

 3歳未満の子を育てながら働いている人に対して、1日の所定労働時間を短縮して原則6時間とすることを事業主に求める制度です。「時短勤務」なんて呼ばれている会社もあるのではないでしょうか。
 育児介護休業法で定められているのは3歳までですが、「小学校に入るまで」としている会社もめずらしくないようです。

 この「原則6時間」の根拠がわからなくて調べてみたら、育児介護休業法の施行規則に載っていました。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則
第七十四条 法第二十三条第一項に規定する育児のための所定労働時間の短縮措置は、一日の所定労働時間を原則として六時間とする措置を含むものとしなければならない。

年金額の維持

 前述の時短勤務で報酬が減った場合、社会保険料の負担を(報酬に合わせて)軽くしつつ、将来に受け取れる年金額は減額しないようにする制度です。もちろん、育児休業中の人は、前述の免除制度を使うことができます。厚生年金、手厚いですね。

【参考】
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置
(日本年金機構)

子の看護休暇

 小学校に入る前の子を育てている人は、子どもの看護等のために年に5日まで休暇を取ることができます。ですから、「子どもが熱を出したので明日は休ませてください」と言われたときに、上司は嫌な顔をしないでください。もちろん、ボーナスや昇給の査定でマイナス評価するのもダメです。
 ちなみに、子が2人だと倍の10日になりますが、3人以上になってもそれ以上は日数が増えません。

4.まとめ

 こんな感じで、出産と子育てに関して様々な支援施策があるわけです。ただし、いずれもいわゆる「労働者」を対象としたものであり、休業中の給付金については、雇用保険や厚生年金に入っていないと受けられません。
 つまり、自営業者は自力でなんとかしないといけないのですね。

本題:育児短時間営業始めます

 前置きが長くなりましたが、不肖わたくしも42歳にして第一子に恵まれまして、育児期間に突入いたしました。妻は正社員なので期間限定の専業主婦になってはいるのですが、さすがに「ワンオペ育児」というわけにはいきません。
 そこで、主に昼時や夕方の交代要員として、私もできる限り協力させてもらうことにしました。たまたま職場から自宅まで往復10分までかからない環境だったのが幸いしましたね。

 そんなわけで、営業時間をこれまでより短縮し、平日の9時から17時としたうえで、昼休みを12時から14時の2時間とします。これは先述の育介法施行規則第74条等を参考にしました。
 

 もちろん、出張中などは休憩時間も関係ないですし、仕事の状況によっては残業もあるでしょう。ですが、事務所での作業や接客は、なるべくこの営業時間内で収める努力をしていこうかと。まあ、今のところ朝は母子ともに疲れ果てて寝ているので、早出して作業時間を稼いでいますが。

 ともかく、これまでのように「とにかくやれるところまで作業」という姿勢は改め、短時間で成果を出していかなければなりません。つまり、生産性向上を目指した働き方改革が必要なのです(言ってみたかっただけ)。

 ちなみに、来年の4月に保育園に入れたら、通常の営業時間に戻す予定です。保育園に落ちたときは、すべて日本のせいにしようと思っています。

おまけ

公的給付がない分、みなさまの支援が身にしみます。

 

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